退職しました

久しぶりの記事がこれもどうかと思わないでもないですが…

新卒で入った某F社を退職しました。(書類上はまだ在職中)
インターンとバイト時代を含めると約6年ぐらいにいた会社でした。いやはや、いつの間にかこんな時間が経っていたというのは驚きです。

転職の理由は、単純にちょっと新天地に行きたくなったというものです。
会社に不満は(いやまぁそりゃないわきゃないのですが) そこまでなくて、いわゆる「ちくしょう転職だ」モードに入る前に、ちょっとあまりにも面白そうなところを見つけてしまったのでこうお話を伺っていたところ、やっぱりあまりにも面白そうなので入れてくださいとか言ったら入れてもらえることになったので、よっしゃいきますということで転職を決めた感じです。
みなさまにおかれましては驚きをもって受け入れて頂けたようで、僕も仕掛け人として何よりと思っています(何の話

おそらくここは某社のみなさまもご存知のことと思いますが、並列化・最適化を少しばかりやったことのあるだけのクソガキを心よく受け入れてくださって、かつ、色々とお相手してくださった先輩たち、あとなんだかよくわからないけど慕ってくれた後輩たち、加えてもう残り少なくなってしまった同期たちw のおかげで、非常に刺激的で、技術的にも面白い毎日を過ごすことができました。この場を借りてお礼を申し上げます。

さて、ありがちな転職エントリらしく、前職についてつらつらと書いていきます。
以下はポエムなので、真実は一割ぐらいしか含まれていないものと思いねえ。

どんな会社か?

日本にソフトハウスは数あれど、最適化を主眼に置いている会社というのはやっぱり数少なくて、そのうちの一社であり筆頭と言えるのではないでしょうか。
やっていることは、サーバー向け・組み込み向けCPU最適化、GPU最適化、エトセトラエトセトラ…最近じゃNANDのファームも書いたりしてましたっけ。僕は関わってないので詳しくは知らないのですが。
あらゆる手段を持って速くすることを主とした会社であると言えます。

就職先としてみるとどうか?

退職エントリだから情報量をある程度ふくんどけというのが持論なので、愚痴を書き連ねたりするよりも先にやることがあろう!!
というわけで、就職先としてみるとどうか、という点について書いてみたいと思います(ああ、あとで文句言われそう…)

結論からいえば、勧めたい気持ちが半分、止めたい気持ちが半分といったところです。
(おいおまえに引っ張られていったぞって人はクレームつけてくださいw

勧めたい理由

やっぱりプログラマとしては恵まれた環境でした。
僕はGPGPUとか組み込み向けの変なCPUとか、Intelにしても最新のアーキテクチャを触る仕事や、評価機の評価とか色々やらせてもらいました。
おかげで身についたスキル、知り合えた人々も非常にたくさんいます。感謝してもしきれません。
GPGPU勉強会とかも、ここにいたから開催できたし、ここにいたから非常に面白い形で盛り上げられたかなと思ってます。
業務では、お客さんの問題をテックで解決していこう、というのをまっとうに考えられたっていうのが非常に面白かったです。
加えて言えば、非常に周囲の人々のレベルが高く、また専門スキル持ちも多いので、良い感じの技術的な質問が飛び交ったりしています。(マサカリとも言う)
高いレベルのコードを書く土壌は整っていると言えるでしょう。

止めたい理由

逆に言えば、上記に当てはまらない人の場合いくのはおすすめしません。
つまり、「ありとあらゆる方法を駆使して速くすること」に魅力を覚えない場合は、いくことはおすすめできません。
あと、自分自身を常に追い込んでいくつもりがない場合もおすすめしません。
なぜなら、主たるビジネスが受託開発であることから、わりと長めの案件にアサインされた場合、スキルの固定化が生じることがままあるからです。
三年間同じことをし続けていると、一般的にはそのお客さんの仕事に最適化されます。これは良い悪いとかではなくて、日々の仕事を効率的に回そうと思ったら当然のことです。ただ、それを推し進めると、それ以外できなくなってしまいます。エンジニアとしてはあまりいいことではありません。

あと、深刻な問題として感じていたのが、「なぜここに来たのか」に明確に答えられる人間が減ったということがあります。
僕はある時期まで、初めて顔をあわせる人には、「なんでここに来たんですか?」という問いをしていました。理由は様々でしたが、速くしたいとか並列化したいとか変な石触りたいとか、まぁ理由はそれぞれでしたが、それなり以上に、少なくともこの会社のカラーに魅力を覚えてきた人がいたように思います。
それがあるとき、同じようなことを聞いたら「都内にあって、週休二日が保証されてて、残業も少なそうで…」とかいう理由を口にされたことがありました。
凄まじいショックでした。
いやまぁさすがに僕もそれなりに丸くなったので、その人に「は?意味わからんふざけんな」とかは言いませんでしたし、先輩たちとそんな話をしたら、「いや、世の中そんなんばっかりだぞ」とか言われたりもしたわけですが、この会社のカラーに何の興味もない人々というのが入ってきたというのは、ある意味で恐怖でした。
そして、現在もそれは続いていますし、拡大していっています。
すべての人がそうであるとは言いませんが、「前職ではコードをあまり書けなかったから、ここではコードを書きたい」という言葉を口にする人を、僕は信用していませんでした。
どんなコードを書きたいのか? それを実現する場所として、本当にここがいいと思ったのか?
コードを書きたいと入ってきて、その問いにきちんと答えてくれた人を僕は一人しか知りません。
「ただコードを書く毎日を過ごしたい」だけなら、他にも選択肢はたくさんあります。ここでしかできないこと、ここでならできるだろうことをきっちり考えてから選んでください。

中の人へ

ビッグマウスを叩いておきながら、いきなり退職しまーすをやらかして本当にすいませんでした。
ましてや、いくつか推進しようとしていたプロジェクトが、立ち上がった、あるいは立ち上げようとしていた最中に抜けることになってしまったようで、やっちまった感があります。
まぁタイミングが悪いのは今に始まったことではないので、大目にみてください。

最終出社日に僕の周りにいた人には挨拶回りにいって色々と話をしましたが(僕とそれなりに付き合いがあったのにおれ声かけられてないって方がいましたら、単に割り込みが入りまくって忘れただけの可能性が大なので許してください) 少なくとも僕の周りの人々は、最高に素晴らしい技術と、最高に素晴らしい高いプライドを持って仕事に臨んでいる人々であると思っていました。そんな人々と一緒に仕事ができたこと、そんな人々に認められるまでになれたことは、望外の喜びでした。これからも、技術的最先端を突っ走ってくださることを期待しています。
創業して十年といいますが、まだまだ中は変革の途中だと思います。僕が何ができたかはいまいちよくわかりませんが、種ぐらいはまけたんじゃないかと思っています。つーかまけたと思わせてくれw

とくに、これから会社を引っ張っていくのは僕の後輩たちだと思っています。三年目になる彼らも、去年入ってきたのも、今年入ってきたのも、みんな僕以上に優秀なのばかりなので、きっと僕以上に活躍することでしょう。それが今は楽しみです。
みんなの活躍を期待しつつ、僕は僕で、これからも頑張っていきます。

まぁ1ホップの場所にいるんで…どうせまたすぐに会うと思いますw